じっくりコトコトご褒美ダイニングのCMで水川あさみが絶対限界を迎えてる(と思う)
いきなりですが、こちらのCMをご覧ください。
(ショートバージョンとロングバージョンがあります)
水川あさみがOLを演じ、帰宅後スープを食べて癒され、また明日もがんばる気持ちを手に入れる、という趣旨のCMらしいのですが、
主が見たところ、このCMはヤバかったので、
ちょっと文章にしてみます。
1.いつも花束を活けないOLが花を買うときは精神がかなりヤバいときだと思う
まず、おそらく8時は過ぎているであろう暗さの中で帰宅したばかりの水川あさみが花を活けています。
お世辞にも花束とはいい難い、2,3本の大振りの花を束ねた花を活けるために置かれている花瓶はどう見ても大きすぎます。
彼女は絶対日常的に花のある生活を楽しんでいるタイプではない。
普段から花が好きで買ってる人は、1輪、2輪の花を活けるための細みの花瓶も持っていることでしょう。
しかし、たまに(送迎会や誕生日やクリスマスなど)だれかに花束を貰うだけの人は大振りの花瓶しか常備していないのです。
年に何回か誰かからもらうものだった花を、仕事終わりに自分で買ったのであろう水川あさみ。
おそらく駅ナカの花屋ででも買ってきたのでしょう・・・・
いつも花なんか買わない人間(特に女)が自分のために花を買う、というのは、大袈裟に自分を甘やかそうと、元気づけようとしている時でしょう。
ヤバい。
2.どう考えても8時は超えてる暗さの部屋で、キャンドルを灯し、「まだ水曜日だぁ」と言いながらチーズとワインを開け、スープはインスタント、がやばい。
普通は、疲れて遅く帰宅したのならば、食事はパパっと済ませてはやめに寝るはずです。
なのに水川あさみはわざわざチーズを切り、ワインも開け、優雅な食事を演出しようとしてます。
切なすぎる方法で自己を鼓舞している・・・・
彼女は体力的に疲れているのでは、おそらくない。
彼女は精神的に疲れているのです。
花を活け、チーズとワインとあったかいスープとおしゃれなキャンドルで自分をなんとか励まそうとしています。(考えただけで切ない、なぜなら私もすでにこのような活動を何度も行っている・・・・)
でも、豪華でおしゃれなメインをわざわざ料理したりするやる気も時間もないし、カロリーも気になる、だからおそらくスープなのです。
3.独り言で自分を励ますとかそもそもヤバい、限界一歩前。
「今日も疲れたなぁ」→「疲れてても、かわいいよ」
「なんかうまく笑えない」「裏表のないいい子じゃのぅ」
「もっと優しくなりたい」「その気持ちが、もう優しい!」
「皺もふえた」「よく笑ってる証拠じゃん!」
「しかし、仕事が多すぎる」「よ!人気者!」
「でも今日も怒られたし」「あんた、期待されてる!」
「まだ水曜日かぁ」「あと二日で週末!」
「最近ついてないなぁ」「運が貯まりまくってますねぇ」
「出会いもない」「トゥモローネバーノーズ!」
「おっしゃる通り!!」
と自分を自分で励ましています。(私もよくやる・・・)
ぽつぽつ出てくるネガティブ愚痴が水川あさみの本音だと思います。
疲れて、うまく笑えないし、愚痴ばかり言いたくなるし、でももっと余裕をもってみんなに優しくしたい。仕事が多すぎると思うし、怒られると普通にダメージくらうし、はやく週末に来てほしいし、出会いもなりし、なんかもう本当に疲れた・・・・
という本音たち。でも本音の自分とばかり向き合っていると気持ちが滅入って明日も頑張れない、だからなんとかポジティブに言い換えて自分を励ます、とか多くの人がやっているでしょうし私も早くもやり始めたけど普通にヤバいでしょ。
水川あさみと全国の労働者にもっと余裕を・・・・
と思わずにはいられない。
Pokkaサッポロさんは、「このCMで頑張ってるOLに共感してもらって、ぜひスープを買ってほしい!」という思いで制作されたのだと思います。
私はまだ働き始めて半年足らずなのにもう共感しました。日々こんな気持ちで一人暮らしの部屋に帰ってくる労働者はたくさん、たくさんいるんだろうなぁ。
私は最初このCMを見て、
「なにこれー!水川あさみはぼさぼさ頭でもかわいいなぁ、というか気持ちわかるぅ・・・」
と思いました。
でも、段々悲しくなってきたのです。
こんな働き方を全国の大多数のOLがしているという前提でCMが作られている現状や、
たくさんの人がこんな切ないやり方で自分を励まし、明日に向かっていくのであろう、という予想に。
もちろん、だからと言って水川あさみが不幸せなOLを演じているわけではないのもわかります。きっと楽しいことも、やりがいを感じる瞬間もあるのでしょう。
でもこんなことする人間は限界を迎えつつあると思うのです。
そして、労働者たちは日々限界を突破しながら会社に向かっていくのでしょう。
自分を自分で励ますために、
自分で自分に花を買い、それを自分で活け、
自分で用意する食事をなんとか自分を幸福にするものにしようと工夫する。
そして、自分で自分を励まし、明日に立ち向かう・・・・・
水川あさみも、みんなもがんばりすぎはよくないよ、
家族に頼ったり、誰かと住んだり、
ワークライフバランス、という最高の言葉について考えてもいいのでは・・・?
という気持ちにさせられました。